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ヤン–ミルズ理論とAI:OpenAIの主張、グロス委員会、Claudeを使った公開の試み

OpenAIが主張する1,147ページのヤン–ミルズの証明は、Leanの定義を確かめるまで委員会が預かっています。Claudeを使った試みは公開され、暫定的とされています。どちらも質量ギャップは扱っていません。

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2026年10月28日、カブリ理論物理学研究所(KITP)は、OpenAIが主張するヤン–ミルズ理論の証明を監修する5人の委員会による、2ページの声明を掲載しました。デイヴィッド・グロスが委員長を務めるこのグループによれば、AIが生成した証明は1,147ページあります。1委員会は、OpenAIのLeanによる形式化を、その定義が標準的な定義と一致することを確かめた後にのみ公開し、証明の全文は自らの評価とともにのみ公開するとしています。この研究が何を未解決のまま残しているかも述べています。「閉じ込めと質量ギャップは、依然として非常に重要な未解決の課題である」。

同じ問題に対する、AIを使ったもう1つの試みが公開されています。Ethan SussmanとLevent Alpögeは10月6日から、Claudeで生成した原稿を、Yang--Mills-LLM-experiment7という名前のGitHubリポジトリに投稿しています。READMEは冒頭でこう警告しています。「内容は十分に精査されていない。すべての主張は検証待ちの暫定的なものと理解されたい」。

ミレニアム懸賞問題についての一方の主張は委員会が預かり、もう一方は著者の警告を添えて公開の場にあります。以下では、それぞれが何を示したと述べているか、今誰でも読めるものは何か、なぜ両方が1980年代のBalabanの論文に頼っているのか、そしてなぜどちらも質量ギャップを扱っていないのかを順に紹介します。OpenAIの発表については、10月27日の解説記事で扱いました。出典はすべて2026年10月30日に確認しました。どちらの主張も、独立には確認されていません。

ヤン–ミルズの監修委員会は何を述べたのか#

声明の題は「Proof by OpenAI of the Existence of Quantum Yang-Mills theory」(OpenAIによる量子ヤン–ミルズ理論の存在の証明)です。1署名しているのは、Michael R. Douglas、デイヴィッド・J・グロス(委員長)、アーサー・ジャッフェ、Igor R. Klebanov、Nikita Nekrasovの5人で、OpenAIが10月26日に名前を挙げたグループです。6声明は、このグループができた経緯をこう説明しています。「10月16日、デイヴィッド・グロスはOpenAIから、証明を預かり、それをコミュニティに公開する最善の方法を決め、公開の過程を監修するよう依頼された。その後、デイヴィッド・グロスが委員会の残りのメンバーを選んだ」。

委員会は「学術コミュニティのために」活動するとし、「私たちはOpenAIに対して何の責任も負わない」と付け加えています。避けたいリスクとして「誤った結果を出したり、不注意で帰属の表示を落としたりすること」を挙げ、この取り決めを「AIによる新しい知識の急速な発展に、学術コミュニティがどう対処できるかについての実験」と呼んでいます。

結果そのものについて、声明は簡潔です。「OpenAIによる新しい証明は、QFTを厳密な数学的基盤に置くための重要な一歩に見える」。何が証明されたかについての唯一の文は、Tadeusz Balabanが1980年代に発表した繰り込み群の論文の功績を認めています。「Balabanの発想は、OpenAIが最近、理論を無限の距離までたどり、その適切な連続極限の存在を証明できるようにした重要な要素の1つだった」。その次の文が、上で引用したものです。「しかし、閉じ込めと質量ギャップは、依然として非常に重要な未解決の課題である」。

声明は、定理の正確な文言も、対象とするゲージ群も、「存在」に何が含まれるかも示していません。定義と問題設定を確かめることが、委員会の最初の段階です。

公開の時期:PDFには「2026年10月」という日付しかありません。ファイルのメタデータでは、作成日時は10月27日20:25(UTC)です。それにリンクしたKITPのXへの投稿3は、10月28日00:16(UTC)に続きました。

Leanの証明はいつ公開されるのか#

声明は日付を示していません。1示しているのは順序のある段階で、それぞれに条件が付いています。

  1. 定義を確かめる。 「最初の目標は、定義と問題設定が物理学と数学で標準的なものと対応していること、そして形式化が非形式的な扱いと一致していることを確かめることである」。
  2. Leanの証明を公開する。 「この検証が済んだら、Leanの証明を公開する」。
  3. 助けを得て、理解に努める。 委員会はその後、証明の「より深い理解」に取り組み、「この困難な仕事を助けてもらうために、コミュニティのほかのメンバーの才能と専門知識を借りる」つもりです。
  4. 全文を公開する。 「証明の質と正しさに満足したときに、私たちの評価を、1147ページに及ぶLLMによる証明の全文とともに提供する」。

待つ理由は1文で述べられています。「公開する前に、それが正しいと納得したい」。

Leanの証明にとって最も重要なのは、最初の段階です。証明支援系が検査するのは、形式的な命題が形式的な定義から導かれることです。その定義が、物理学者や数学者が4次元空間上の量子ヤン–ミルズ理論と呼ぶものを記述しているかどうかは判断できません。その比較をするのは人で、今のところファイルを持っているのは委員会とOpenAIだけです。

OpenAIの発表には、「2026年10月16日に、ヤン–ミルズの存在の形式化を終えた」とあります。6委員会は「OpenAIは形式化を提供している」と書いています。OpenAIが形式化を終えたと述べているのはヤン–ミルズの存在についてだけで、量子色力学(QCD)と標準模型の完成についての主張については述べていません。

AGMAIはなぜ即時の公開を求めたのか#

OpenAIが発表した10月26日、数学とAIに関する諮問グループ(AGMAI)は「Recommendation for Immediate Release of Yang–Mills AI Output」4(ヤン–ミルズのAI出力の即時公開の勧告)を掲載しました。

私たちはOpenAIに対し、発表されたヤン–ミルズ理論、量子色力学、標準模型の完成についての存在証明の裏付けとなる、自然言語とLeanの出力を遅滞なく公開するよう求める。4

その論拠は、OpenAI自身の日程にあります。「OpenAIは、Leanによる形式化が完了するまで公開を遅らせたと述べている。彼ら自身の説明によれば、それはもう完了しているのだから、これ以上公開を遅らせる科学的な理由はない」。その背後には、「理解は、全員に同じアクセスが与えられた開かれた場で育つべきだ」という一般的な立場があります。声明はこうも述べています。「OpenAIからこの仕事を率いるよう依頼された科学者たちに、私たちは大きな敬意を抱いている」。

AGMAIは、数学的な結果の公開を含め、AI企業に助言する9人の数学者のグループです。「どのAI企業からも独立して活動している」とし、5「OpenAIが外部の諮問委員会の設立についてメンバーの一部に打診した後に」結成されたとしています。メンバーの1人はエドワード・ウィッテンで、彼はクレイ数学研究所の問題記述を、現在監修委員会にいるアーサー・ジャッフェとともに書きました。

委員会の声明はAGMAIに触れていません。時期についての委員会の答えは、まず納得したいというものです。これは以前の記事で述べたトレードオフです。全員に一度に公開するか、少数の専門家がまず確認するか。10月30日の時点で、どちらのグループからもそれ以上の声明は見つかりませんでした。

Sussman–Alpögeのヤン–ミルズのリポジトリとは何か#

「Levent Alpogeとともに、ClaudeにBalabanのプログラムを完成させようとする試み」と説明されている、公開のGitHubリポジトリです。7Scientific American17は、Sussmanをノースウェスタン大学の数学者、AlpögeをAnthropicの社員としています。READMEには所属が書かれていません。

計画は、より易しい場合から4次元へと進むことです。「Dimockらにならい、紫外特異性がそれほど深刻でない、3次元時空の超繰り込み可能な理論から始めている」。

READMEは、原稿の作り方を率直に書いています。「上に挙げた原稿は、Claudeが生成した文字どおり数千ページのスロップ(slop)から、素材を切り出した結果である」。その出力は「その後Codexに渡され、最小限の原稿が抽出される」とし、「ときどき、元のスロップにはなかった小さな誤りが入り込む」とも書いています。短めの原稿の1つRPM1は、「私たちの1人[E]が半分を書き、Astraが完成させた」ものです。READMEは、モデルをClaude、Codex、Astraという名前だけで挙げ、バージョンは書いていません。

功績について、免責事項はこう締めくくられています。「新しい数学的な発想は、Claude(LAの指導のもとで)に帰属させるべきである」。LAはAlpögeのことで、ESと記された注記はSussmanのものです。

リポジトリはQED3、YM3、YM4について何を主張しているのか#

3つのことを、3段階の確信度で主張しています。

QED3YM3YM4
理論3次元の量子電磁力学3次元のSU(2)ヤン–ミルズ理論ℝ⁴上のヤン–ミルズ理論
READMEの記述「正しければ、無限体積での3次元の量子電磁力学(QED3)の完全な構成を含む」とし、7場の強さについてのOsterwalder–Schraderの公理も含む正しければ、作用密度 tr[F²] についてOsterwalder–Schraderの公理を検証する7「今のところ、YM4の…存在の議論/スロップを(どうやら)手にしているが、非常に長く、このままでは基本的に理解できない」7
確信度「本質的に正しいと考えている」Sussman:「QED3ほどの確信はないが、原稿は正しいと本当に思っている」「はるかに系統立てて(したがって、かなりゆっくりと!)」書き直し中
公開ファイル263ページの原稿とTeXソースYMM1、854ページ(10月26日)。YMM2、1,044ページ(10月27日)10月6日付の153ページの草稿。第0稿として置かれ、READMEからはリンクされていない
表1 リポジトリがQED3、YM3、YM4について主張していることと、述べられた確信度、公開ファイル。

Osterwalder–Schraderの公理とは:ユークリッド空間での、理論の相関関数が満たす性質です。Konrad OsterwalderとRobert Schraderは1973年と1975年に、これらの性質を持つ関数が、真空とエネルギー演算子を備えた相対論的な場の量子論を定めることを示しました。クレイの問題は、これを存在の一部に数えています。OsterwalderとSchrader、StreaterとWightmanの文献を挙げ、「存在には、少なくともこれらで挙げられたものと同じ強さの公理的性質を確立することが含まれる」としています。18

3次元は一歩であって、賞の対象ではありません。 クレイの問題はℝ⁴上で設定されています。READMEはこう述べています。「QED3とYM3の原稿で展開した発想は、YM4に応用できると考えている」。7YMM2のコミットメッセージは、それが「記録のために」投稿されたもので、「私たち自身の基準にさえ達するようには編集されていない」としています。

YM4のファイルは、2つの取り組みの公開文書の中で、4次元の定理を述べている唯一のものです。題は「SU(2) Yang–Mills theory in four dimensions via Bałaban's renormalisation group: construction, axioms and non-triviality」(Bałabanの繰り込み群による4次元のSU(2)ヤン–ミルズ理論:構成、公理、非自明性)で、2026年10月6日付、著者の記載もAIについての記述もありません。11要旨によれば、結果は「第9節で条項ごとに宣言した証明の入力を仮定して」成り立ち、完全な回転不変性は、草稿が導出していない「明示された仮説」からしか従いません。その横には合計約27 MBの3つの生のTeXファイルがあり、「定理0の完全な説明」と題されています。12定理0とは、この草稿の定理のことです。この説明は、各命題に「証明済み」「述べたが証明は不完全」「証明されていない」などのラベルを付けています。

外部の読者が読み始めています。 10月27日、RPM1の一部をLeanで形式化しているGitHubのユーザーがissueを立てました14。「結果を崩すものは何も見つからなかったが、いくつか見ておく価値のありそうな点がある」。その1つは、QED3の原稿の1本が、「636件の引用のうち628件」を、リポジトリにない関連論文から取っていることです。Sussmanは10月30日にこう返信しました。「それはLeventの元のスロップのことだ」。issueの作成者は、AI(Opus 5.5とGPT-6 Astra)が作業を手伝ったとしています。これは読解であって、検証ではありません。

10月30日、リポジトリには125ページの原稿「Massive SU(2) gauge theory in three dimensions」(3次元の質量を持つSU(2)ゲージ理論)が、新しいQCD3のフォルダに加わりました。13

それぞれの主張について、何が公開されているのか#

10月30日の時点で、並べて比べます。

OpenAIと監修委員会SussmanとAlpöge
主張4次元での純粋なヤン–ミルズ理論、QCD、標準模型の完成の存在QED3とYM3(暫定的)。YM4の存在は「(どうやら)」
挙げられたモデル「私たちのモデル」(OpenAI)6、「OpenAIのLLM」(委員会)1Claude。凝縮にはCodex。1本の原稿の半分にAstra
自然言語の証明非公開。委員会によれば1,147ページ1QED3とYM3はTeXソースとともに公開。YM4は153ページの草稿と、それに付随する説明の生のTeX
LeanOpenAIによれば10月16日に完成。6委員会の確認の後に公開予定リポジトリにはない。1人の読者がRPM1の一部を形式化中
確認しているのは誰か5人の委員会と、委員会が招く人々2人の著者と読者:「見つけた誤りは何でも知らせてほしい」
述べられた状態委員会:「重要な一歩に見える」。1「それが正しいと納得したい」「検証待ちの暫定的なもの」7
質量ギャップ委員会:「依然として非常に重要な未解決の課題」1YM4の草稿は「質量ギャップを扱わない」11
表2 それぞれの主張について公開されているもの(2026年10月30日時点)。

日付は、それぞれ種類の違う証拠に基づいています。

日付(2026年)OpenAIと委員会SussmanとAlpöge
9月9日自然言語によるヤン–ミルズの存在証明(OpenAIによる)6
9月18日QCDの証明(OpenAIによる)6
10月6日リポジトリを作成。YM4の草稿と生のTeXをアップロード
10月16日Leanによる形式化が完了(OpenAIによる)。6グロスが証明を預かるよう依頼される(委員会による)1YM4についてのAlpögeの「(どうやら)」の注記をREADMEに追加
10月26日OpenAIの発表。AGMAIの公開要求YMM1を追加。READMEに免責事項を追加
10月27日委員会のPDFが作成される、20:25(UTC)YMM2を追加。RPM1を形式化している読者がissue 5を作成
10月28日KITPが声明を掲載、00:16(UTC)
10月30日QCD3の原稿を追加
表3 OpenAIと委員会、SussmanとAlpögeについての2026年の主な日付。

OpenAIの9月と10月の日付は、同社自身の申告です。その時期のファイルは、まだ1つも公開されていません。リポジトリの日付はコミット履歴によるもので、プッシュはGitHubの公開イベントログにも残っています。7たとえばYM4についてのAlpögeの注記は、10月16日06:33(UTC)にプッシュされました。

README自体には日付がなく、文言も変わっています。10月26日の16:18(UTC)の編集より前には、凝縮の工程にCodexではなくAstraの名前を挙げ、「このリポジトリで証明されたいかなる結果についても、私たちは数学的な功績を主張しない」と書いていました。これを引用する人は、ページだけでなくコミットを引用すべきです。Peter Woitは、10月26日のブログ記事「Secret Unified Physics Slop」16への追記でこのリポジトリを取り上げ、「OpenAIとは違い、彼らは公開の場に投稿してきた」と書いています。

なぜ両方がBalabanに頼っているのか#

どちらも、一から始めるのではなく、Tadeusz Balabanの繰り込み群の論文の上に築かれています。委員会は「Balabanの発想」を名指しで評価しており、1リポジトリが掲げる目標は「Balabanのプログラムを完成させる」ことです。7

Scientific Americanは10月27日、これらの論文を「問題の『存在』の部分を証明する道筋を描いた、膨大で難解な一連の論文」と説明しました。17記事は、ニューヨーク大学の数学者Roland Bauerschmidtの言葉を引いています。「彼は基本的にやり遂げた」、そして「しかし、これらの論文を理解し、正しいかどうかを判断できる人はいないと思う」。

YM4の草稿によれば、その命題の大部分は「引用したとおりのBałabanの定理からの完全な演繹」であり、また付随する説明からの演繹です。11その説明は、Balabanが証明なしに印刷した命題に「証明なしに印刷されたもの。印刷どおりに引用」という独自の状態を与え、証明済みには数えていません。Leanによる形式化が検査するのは、形式化されたものだけです。証明がBalabanの結果の一部を前提として受け入れているなら、未解決の問いはそれらの論文に移ります。委員会の声明は、OpenAIの形式化がBalabanの結果を証明しているのか、仮定しているのかを述べていません。

なぜヤン–ミルズの存在は質量ギャップではないのか#

クレイの問題は2つの問いを立てており、どちらの取り組みも答えているのはせいぜい1つ目だからです。アーサー・ジャッフェとエドワード・ウィッテンによる問題記述18は、こう述べています。「任意のコンパクト単純ゲージ群Gに対して、非自明な量子ヤン–ミルズ理論がℝ⁴上に存在し、質量ギャップΔ > 0を持つことを証明せよ」。

存在とは、上で述べた公理を満たす、数学的にきちんと定義された理論がℝ⁴上にあることです。質量ギャップはエネルギーに関するもので、「真空のあらゆる励起は少なくともΔのエネルギーを持つ」こと、18つまり最も軽い粒子が正の質量を持つことです。ジャッフェとウィッテンは、これが「核力が強いのに到達距離が短い理由を説明するのに必要」だとしています。2人によれば、その重要な帰結の1つがクラスター性で、離れた点の間の相関は指数関数的に消えていきます。

構成が存在しても、ギャップについては何も言えないことがあります。委員会は漸近的自由性を、「力は短い距離では弱まり、長い距離では強くなる」と説明しています。1Balabanの研究が扱ったのは短距離、つまり紫外の側です。YM4の草稿の言葉では、「紫外の問題はBałabanが扱った」。11ギャップが関わるのは、相互作用が強い長距離の側です。委員会によれば、漸近的自由性は「クォークのハドロン内への閉じ込めと、質量ギャップにつながると考えられている」。考えられているのであって、証明されてはいません。

YM4の草稿は、それをはっきり書いています。「本論文は質量ギャップを扱わない」、そして「ギャップは無限体積の理論の赤外の性質であり、構成はそれについて何の情報も与えない」。さらに「定理0は減衰についてまったく何も主張しない」と付け加えています。

ジャッフェとウィッテンが問題記述を書いた当時、2人はギャップにも、有限の箱からℝ⁴への移行にも、方法を見いだしていませんでした。「体積について一様な質量ギャップの存在を確立する方向を示す考えは、現在のところない。また現在の方法は、無限体積極限 T⁴ → ℝ⁴ の存在をどう得るかも示していない」。2人は、一様なギャップが「無限体積極限の存在の証明で、基本的な役割を果たすかもしれない」と示唆しました。新しい2つの取り組みは、どちらもそれなしでℝ⁴に至る道を述べています。それが問題記述の意味での存在を満たすかどうかは、委員会がOpenAIの版についてまず確認するとしていることの一部です。

存在の側には、さらに2つの条件があります。

  • すべてのゲージ群。 問題は「任意のコンパクト単純ゲージ群G」について問うています。リポジトリのYM3とYM4の研究は、SU(2)についてのものです。Sussmanは10月21日、GitHubのissueにこう書きました。「YMについては、今のところSU(2)に絞っている」。15OpenAIは、自社の定理の命題を公開していません。
  • 正しい観測量。 問題記述は、「Tr F_ij F_kl(x) のような」、曲率から作られる局所演算子を求めています。3次元では、YM3の原稿が扱うのは tr[F²] です。READMEによれば、tr[F_jk F_ℓm] を扱う続編を処理中です。7

したがって、たとえ両方の取り組みのすべてのページが正しかったとしても、質量ギャップが問いの一部である以上、クレイが述べるミレニアム懸賞問題は未解決のままです。また、クレイの規則19では、解決の提案が検討されるのは、条件を満たす媒体に掲載され、少なくとも2年が経ち、「世界の数学界で一般に受け入れられた」後だけです。

これから何が起きるのか#

OpenAIの主張について、次に公開される段階は、委員会が定義を確認した後のLeanの証明です。形式的な命題が公開されるまでは、委員会とOpenAIの外の誰も、証明を再ビルドしたり、その定義をクレイの問題記述と比べたりできません。1,147ページはその後です。日付は示されていません。

リポジトリについては、ファイルは公開されており、著者は読者に誤りの報告を求めています。2人は、個々の下位原稿に「人間が書いた同等のもの」を対にしたいとしています。これまでの唯一の例であるRPM1は、半分が人間によって書かれたものです。

Papexで変えたこと#

ヤン–ミルズ方程式の存在と質量ギャップ(英語)のページは、OpenAIの主張を、出典の記述どおり部分的な結果として載せています。英語版のこの記事に合わせて、私たちはその主張への2つの応答を加えました。監修委員会の声明と、AGMAIの即時公開の要求です。また、Sussman–Alpögeのリポジトリを別の主張として加え、著者自身の言葉どおり「暫定的」と表示しました。どちらの主張も、AI-assisted claims(英語)に載っています。

残る問い#

  • 主張された証明の形式的な命題は、ほかの人が並行して定義を確認できるように、証明が理解される前に公開されるべきか。
  • ある発見について日付の分かる証拠が企業の発表しかないとき、何をもって主張の日付とするのか。
  • 引用された後にREADMEが変わるとき、引用はコミット、保存されたコピー、署名された版のどれを指すべきか。
  • 「LAの指導のもとで」のような帰属の表示は、数千ページが1本の論文に切り詰められても残るように、どこに置かれるべきか。

出典#

  1. Proof by OpenAI of the Existence of Quantum Yang-Mills theory: Statement by the shepherding committee(Douglas、Gross、Jaffe、Klebanov、Nekrasov。2026年10月付、PDFの作成は2026年10月27日)、2026年10月30日確認 a b c d e f g h i j
  2. Statement by the Yang-Mills Working Group(KITP)、2026年10月30日確認
  3. 声明にリンクしたKITPのXへの投稿(2026年10月28日00:16 UTC)、2026年10月30日確認 ↩
  4. Recommendation for Immediate Release of Yang–Mills AI Output(AGMAI、2026年10月26日)、2026年10月30日確認 a b
  5. About AGMAI(AGMAI、2026年9月22日)、2026年10月30日確認 ↩
  6. Working with academic communities to build scientific understanding(OpenAI、2026年10月26日)、2026年10月30日確認(インターネットアーカイブの2026年10月28日の保存版による。公式ページは自動アクセスを遮断) a b c d e f g
  7. ethanwsussman/Yang--Mills-LLM-experiment:README、コミット履歴、イベントログ(GitHub)、2026年10月30日確認 a b c d e f g h i j
  8. The field-strength Osterwalder–Schrader axioms for QED in three dimensions(QED3/qed3.pdf)、2026年10月30日確認
  9. Scalar fields from three-dimensional lattice Yang–Mills theory(YM3/YMM1.pdf)、2026年10月30日確認
  10. Curvature observables, dynamics, and conditional confinement in three-dimensional lattice Yang–Mills theory(YM3/YMM2.pdf)、2026年10月30日確認
  11. SU(2) Yang–Mills theory in four dimensions via Bałaban's renormalisation group: construction, axioms and non-triviality(ym4_manuscript_zeroth_draft.pdf、2026年10月6日付)、2026年10月30日確認 a b c d
  12. The Yang–Mills continuum limit along Bałaban's renormalization group: a complete account of Theorem 0(生のTeX、全3部の第1部)、2026年10月30日確認 ↩
  13. Massive SU(2) gauge theory in three dimensions(QCD3/QCDM1.pdf)、2026年10月30日確認 ↩
  14. Issue 5: Lean formalization of parts of RPM1, and a few notes from reading QED3 and YM3(GitHub、2026年10月27日)、2026年10月30日確認 ↩
  15. Issue 1: QED and QCD in 4D(GitHub、2026年10月20日)、2026年10月30日確認 ↩
  16. Peter Woit, Secret Unified Physics Slop(Not Even Wrong、2026年10月26日、追記あり)、2026年10月30日確認 ↩
  17. Joseph Howlett, Dueling proofs from OpenAI and Anthropic astound scientists(Scientific American、2026年10月27日)、2026年10月30日確認 a b
  18. Jaffe and Witten, Quantum Yang–Mills Theory(Clay Mathematics Institute)、2026年10月30日確認 a b c
  19. Rules for the Millennium Prize Problems(Clay Mathematics Institute)、2026年10月30日確認 ↩

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