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AIはエルデシュ問題をいくつ解いたのか:未解決問題の数え方と2026年10月の状況

現在の件数を数え続けている人はいません。最後の集計、AlphaProof NexusやOpenAIの単位距離の結果が示すこと、文献検索だった割合を、各数字の時点とともに整理します。

目次
  1. エルデシュ問題はいくつあり、いくつ解かれているか
  2. AIはエルデシュ問題をいくつ解いたのか
  3. AlphaProof Nexusは何を解いたのか
  4. AIはエルデシュの単位距離問題を解いたのか
  5. 多くは文献検索だったのか
  6. ほかにAIが関わった主な主張
  7. なぜ数えるのをやめたのか
  8. AIの助けを、証明でどう明記すべきか
  9. 次の「AIがエルデシュ問題を解いた」という見出しの読み方
  10. Papexでの扱い
  11. 出典

現在の件数を数え続けている人はいません。数えていた2つの公開の記録は、どちらも止まっています。テレンス・タオが始めたwiki「AI contributions to Erdős problems」は2026年6月30日で更新を終えました。私たちがその表を数えたところ、その時点で、AIが主な役割を果たし結果が「完全な解決(Full solution)」とされた項目を少なくとも1つ持つ問題は69問でした。ただし、wiki自身がこの種の数字を成績表として読まないよう求めています。トーマス・ブルームが運営するエルデシュ問題のデータベースerdosproblems.com(1,221問)は、2026年10月6日に各問題が解決済みかどうかの表示をやめました。最後の数字は「586問解決(48%)」でしたが、人とAIの成果を合わせた数で、両者を分けたことはありません。

6月以降、Google DeepMindは Science 誌にAlphaProof Nexusの論文を発表し、試みた353問のうち9項目を解決したと報告しました。OpenAIは25のエルデシュ問題について主張を含む原稿を公開しましたが、ブルームは「すべて『主張』として読むべきだ」としています。そして、「AIがエルデシュ問題を解いた」という最初の波の多くは文献検索でした。未解決とされていた問題に、すでに答えている論文をAIが見つけたのです。

以下では、件数とその出どころ、AlphaProof NexusとOpenAIの単位距離の結果が示すこと、文献検索の割合、その他の主な主張、数えるのをやめた理由、AIの助けをどう明記するよう求められているか、次の見出しを読むための6つの問いを順に紹介します。各ページは2026年10月21日に確認し(保存版を使った場合は出典に記載)、私たちが自分で数えた数字は数え方を書いています。数字はすべて、記載した日付の時点のものです。

エルデシュ問題はいくつあり、いくつ解かれているか#

erdosproblems.comには1,221問が載っています。最後に公表された数字は2026年10月5日の586問解決(48%)で、10月6日以降、サイトは状態を一切表示していません。

このサイトは、ポール・エルデシュが出した問題をまとめたオンラインの主要なリストで、マンチェスター大学のトーマス・ブルーム(Thomas Bloom)が運営しています。10月まではトップページに累計が出ており、インターネットアーカイブの保存版から推移が分かります。

トップページの保存日問題数解決済み
2025年10月10日1,080397(37%)
2026年1月2日1,133451(40%)
2026年7月1日1,217553(45%)
2026年8月5日1,217565(46%)
2026年10月5日1,221586(48%)

ここでの「解決済み」は、サイトが問題の状態を「証明」「反証」「その他の方法で解決」に変えたことを意味し、変更が実際の解決よりずっと後になることもありました。サイト自身の状態変更の一覧には、これは「このサイトで状態が変わった時点にすぎず、それ以上の意味はない」と書かれていました。以前のペースについて、Quanta Magazineは、2024年と2025年の最初の8か月で「リストの111問の状態が『未解決』から『解決済み』に変わった」と伝えています。

GitHub上のコミュニティのデータベースteorth/erdosproblemsは、今も集計を出しています。2026年10月20日時点で、証明336問、反証139問、「その他の方法で解決」101問で、593問が「完全に未解決とみられる」とされ、残りはより小さな区分に入っています(2026年10月31日の再確認でも同じ数字でした)。この集計は自らを「非公式のクラウドソースによる分類」と呼び、10月6日以降は「リポジトリを訪れた人が、既定では解決済みの数を見せられないように」集計をトップページから外しています。

AIはエルデシュ問題をいくつ解いたのか#

現在の数字はありません。最も詳しい記録だったwiki「AI contributions to Erdős problems」の冒頭には、「このwikiはもう更新されない。最新のデータは2026年6月30日時点」とあります。

タオは2025年12月27日にこのページを作りました。凍結までに1,096回の編集があり、その多くはNat Sothanaphanによるものです。wikiは、AIの貢献を、AIが果たした役割と、文献にすでに何があったかで分類していました。下の区分の定義はwikiのもの、件数は私たちが数えたものです。

wikiの区分意味完全な解決がある問題の数
1(a) AI単独AIが主な役割。比較できる文献は知られていない。人の関与は「重要でない」18
1(b) AIと文献1(a)と同じだが、比較できる文献が「後から見つかった」14
1(c) 文献を土台にしたAI1(a)と同じだが、比較できる文献が「事前に知られていた」5
1(d) 人と協働したAIAIが主な役割で、人の関与が「重要」35
2(a) 文献検索AIを文献検索に使い、問題を解決していた既存の研究が見つかった31

数え方:凍結されたページで、結果欄がwikiの緑の印と「Full solution」(2(a)では「Full solution found」)で始まる行の、異なる問題番号を数えました。1つの問題が複数の区分に入ることがあるので、上の4行の合計は72項目、問題としては69問です。ページには部分的な結果、未検証の主張、誤った研究も記録されており、1(a)だけでも「誤り」とされた行が10あります。

wikiは、この表がまさに誘うような読み方をしないよう求めています。最初の注意書きは「このページはベンチマークではない」で、「異なる方法で解かれた問題の数を直接比べることは、リンゴとオレンジを比べることになりかねない」として勧めていません。タオは1月に要約の一文を加えました。「これらの問題へのAIの貢献の評価は、実際には信じられないほど複雑で微妙であり、単純なリーダーボードや数値の指標にはできない」。

凍結の後、AIの貢献をこのように分類している情報源は見つかりませんでした。Plasma AIという会社が10月に始めたerdosproblems.aiは、各問題を「未解決」「主張あり」「解決済み」に分け(10月21日時点で未解決494、主張あり110、解決済み617)、証明を投稿する人に「関わった貢献者とツール」を書くよう求めています。サイトは「独立に運営されており、彼(ブルーム)の承認を意味しない」としており、トップページにAIによる結果の数は出ていません。

AlphaProof Nexusは何を解いたのか#

論文によれば、試みた353問のうち9項目で、それぞれにLeanの証明があります。論文「Advancing mathematics research with AI-driven formal proof search」は、Google DeepMind、Google、オーフス大学のGeorge Tsoukalasと20人の共著者によるもので、5月のプレプリントを経て、2026年10月8日にScience誌に掲載されました。要旨には「353の未解決のエルデシュ問題のうち9つを自律的に解決した、形式的な証明探索のための人工知能エージェントを作った」とあります。

353問の選び方:手で選んだのではありません。チームはエージェントを「2026年2月初めの時点でFormal Conjecturesリポジトリにあった、エルデシュ問題のLeanの命題すべて(計353問)」に対して実行し、「この方法には、Leanで形式化しやすい問題に偏る傾向がある」と書いています。

「解決」の意味:エージェントは、形式的な命題について、穴のない完全なLeanの証明を作る必要がありました。その後、論文によれば「チームの専門家が、Leanの命題が元の予想を忠実に表していることを確認した」。2つの問題では命題そのものが変わりました。エージェントが別の意味で「密度」を使った証明を見つけた後、「密度」が「下密度」と「上密度」に改められたのです。通常の数学の言葉での証明は人が書きました。論文の貢献の記述によれば、6人のメンバーが「自然言語の証明を書き、HMがエージェントの生成した下書きを提供した」。

9項目の内訳:論文の表1は、erdosproblems.comの番号で9項目を挙げています。中には問題の一部や変形もあります。

項目論文やサイトの補足
#12 (i)と(ii)解が共有された後、「元の論文の構成に小さな調整を加えれば答えられた」。3つ目の部分は「まだ未解決」
#26†「エルデシュが出した問いのより一般的な変形だが、エルデシュ自身が出したものではない」
#125命題を「下密度」に修正
#138*問題の変形
#152ブルームは当初、以前の方法で解決済みと考えたが、5月16日に「今日、これが完全に間違っていると気づいた」と書いた
#741 (i)と(ii)(i)は「上密度」に修正。サイトによれば、(ii)はOpenAIのモデルも独立に答えた
#846「OpenAIの社内モデルによっても独立に発見された」。サイトは、Reiher、Rödl、Salesの射影の議論(2024年)からも「従う」と注記

基本的なエージェントでも:プレプリントは「注目すべきことに、基本的なエージェントも9問すべてを解いた。ただし難しい問題ではコストが高かった」と書き、Science の要旨もこの点を残しています。6月版のプレプリントは2つのコーディングエージェントも試し、「Codexは7/9を解き、#152と#125を12時間以内に解けなかった。Claude Codeには1問も解かせることができなかった」としています。私たちが読んだのは6月8日のarXiv版で、Science の全文は読めませんでした。Science の要旨には、プレプリントにあった1問あたり「数百ドル」という費用はもう書かれていません。プレプリントは「解けそうな問題を見つけること自体が、かなりの計算資源を要した」とも書いています。

ブルームはScience Newsに、これらの結果は「重要度でいえば本当にトップレベルというわけではない」と述べ、Google DeepMindは「科学に対してより責任ある態度をとろうとしている」とも話しました。同じ号の Science には、Jeremy AvigadとMatthew Ballardによる論評「AI for research mathematics has arrived」が載っています。

AIはエルデシュの単位距離問題を解いたのか#

OpenAIは、エルデシュの予想を反証したと発表し、OpenAIの外の数学者たちがその証明を確認して整理した論文を出しています。erdosproblems.comの問題#90です。

エルデシュは、平面上のn個の点のうち、ちょうど距離1にある点の組がいくつまでありうるかを問い、1946年に、その数はnよりわずかに速く増えるだけだと予想しました。OpenAIは2026年5月20日、「OpenAIの社内モデルがこの長年の予想を反証し、多項式的な改善を与える無限の例の族を示した」と発表しました。その構成は、無限に多くのnについて、ある固定のδ > 0に対し、単位距離の組が少なくとも n^(1+δ) 個あるn点の集合を与えます。プリンストン大学のWill Sawinは同じ日に、n^1.014 を超えることが可能だと示しました。OpenAIは、証明が「新しい汎用の推論モデル」から得られたとしていますが、モデル名は明かしていません。

ノガ・アロン、ブルーム、ティモシー・ガワーズを含む9人の数学者は、同じ日に関連論文を公開しました。「短く、かみ砕いた、人が検証した版」で、その議論は「少なくとも振り返れば、Ellenberg–Venkatesh、Golod–Shafarevich、Hajir–Maire–Ramakrishnaに帰せられる発想に決定的に依存している」としています。9人の1人であるMelanie Matchett WoodはScientific Americanに、「文献に、クレジットされていないとてもよく似た発想があることに気づいた。もし人がそれらの結果を知っていてクレジットしなかったら、職業上の過失になる」と話しています。ガワーズはOpenAIのページに寄せた声明で、人が Annals of Mathematics に投稿したものなら「ためらわずに採択を推薦しただろう」と書きました。Daniel Littは同誌に「これはこれまでにAIが自律的に生み出した、唯一の興味深い結果だ」と話しています。

6日後、Anthropicで働くLevent Alpögeは、「mythosがエルデシュの単位距離問題、つまりエルデシュ問題#90を解けるか」を確かめたところ「答えはイエス」だったと投稿し、Anthropicのサイトに著者名もモデル名もない解説を載せました。erdosproblems.comのこの問題のフォーラムでは、参加者の1人が、それは予想の弱い形、つまり n^(1+o(1)) ではなく n^(1+O(1/log log n)) の上界しか扱っていないと指摘しました。ブルームは、パラメータをうまく選べばこの方法で強い結果も得られると答えつつ、「その正しさを請け合っている」わけではないと付け加えています。

この問題のページは、サイトの新しい書き方を示しています。5月には「これはOpenAIの社内モデルによって反証された」と書かれていましたが、10月半ばからは「これは反証されている」に変わり、続けて結果と論文へのリンクが示されています。

多くは文献検索だったのか#

初めのうちは、そうです。2025年10月、erdosproblems.comの協力者の何人かが、未解決とされた問題の文献をAIの研究ツールで探し始めました。2025年10月16日、タオは、この「AIを使った方法によって」状態が「『未解決』から『解決済み』に格上げされた」問題を6つ数えています。

翌日、当時OpenAIにいたKevin Weilは、「GPT-5がこれまで未解決だったエルデシュ問題10個(!)の解を見つけ、ほかの11個で前進した。どれも何十年も未解決だった」と投稿しました。ブルームは「これは劇的な誤解を招く表現だ。GPT-5は、これらの問題を解決していた文献を見つけたのであって、私個人がそれを知らなかっただけだ。『未解決』という状態は、それを解決した論文を私個人が知らないという意味にすぎない」と返信しました。Weilは投稿を削除し、Google DeepMindのデミス・ハサビスは、同じくOpenAIのSébastien Bubeckによる似た投稿(これも削除済み)に「これは恥ずかしい」と返信しました。Bubeckは「見つかったのは文献にある解だけで、それ以上ではない。文献を探すのがどれほど大変か知っているので、私はこれを大きな加速だと思う」と書いています。

ブルームは後に、その変化をこうまとめました。「最初は、強力な文献検索として、これまで知られていなかった多くの解や論文を掘り起こした。この1か月で、AIが生み出した実際の解が見え始めた」。2026年1月のことです。タオは、両者が混ざる理由を説明していました。AIが最初に解ける問題は、まさに「名目上は未解決だが、文献ですでに解かれている可能性が最も高い種類の問題」だというのです。2025年のクリスマスには、問題#333の自律的なAIによる解とされたものが、数時間のうちに、エルデシュ自身の1977年の論文にあると分かりました。2026年1月のGoogle DeepMindの事例研究は、未解決とされていた13問について、「5問は新しいとみられる自律的な解、8問は既存の文献にある解の特定」によると報告し、「問題の『未解決』という状態は、難しさではなく、知られていなかったことによるものだった」と結論しています。

ほかにAIが関わった主な主張#

2026年の主な主張を、各情報源の説明どおりに挙げます。

問題時期主張の内容情報源が述べるほかの点
#728(階乗の整除性)1月Kevin BarretoがGPT-5.2 ProとHarmonicのAristotleを使用。Leanの証明あり解説論文は「AIシステムによって自律的に完全に解決されたとみなされる最初のエルデシュ問題」とする。サイトは、書かれたままの問題は「曖昧」で、結果は「意図された趣旨での」答えとしている
#1196(原始集合)4月Liam Priceのプロンプトによる GPT-5.4 ProJared Duker LichtmanはScientific Americanに「ChatGPTの証明の生の出力は、実はかなりお粗末だった」。その後8人の著者による論文が出た
#146、#180、#1838月1日OpenAIの「Astraの社内版」。Leanの証明書ありOpenAI:「正しさの責任は私たちが負うが、数学的な議論そのものは私たちのシステムが生成した」
25問10月6日OpenAIのopenai/mathでの公開(現在719本の原稿)ブルーム:「これらはすべて『主張』として読むべきだ」「25の証明のうち21はLeanで形式化されている」
#508(ハドヴィガー–ネルソン問題)10月6日同じ公開分の一部。平面を5色で塗り分けて、距離1の2点が同じ色にならないようにはできない、という主張サイトは現在 6 ≤ χ ≤ 7 とし、形式化された証明にリンクしている

10月の公開分について、ブルームの概観は、論文は「一見したところ、いつものAI流に、非常に書き方がまずい」とし、その大半は「(a) 正しいが、(b) 専門家が手を入れればかなり簡単にし改善できる」ものだろうと予想しています。リポジトリ自身のREADMEも「形式化されていない結果のいくつかには問題があるかもしれない」と書いています。OpenAIは10月7日、エルデシュ問題とは関係のない3本の原稿を撤回し、14本を改訂しました。

なぜ数えるのをやめたのか#

数が目的になってしまったからです。ブルームは10月6日、4つの変更を発表しました。新しい問題へのコメントと証明の主張の受け付けを止めること、状態を表示しないこと、「結果(人によるものかAIによるものか)に功績を与える言葉」を使わないこと、解説をより重視することです。その理由をこう書いています。「人々がこのサイトと公に関わる主な方法は、今やAIが生成した証明を宣伝することになっている。多くは説明しようとさえせず、(ますます意味のなくなっている)先取権の主張を記録する手段としてだ」。

状態の表示をやめるのは、「単に栄光を追い、問題をAIにコピーして『未解決→解決』のドーパミンを得ようとする人々の意欲をそぐ」ためで、「『解決された問題の割合』から誤った結論を引き出すのを防ぐ」ためでもあると書いています。結果は、新しい形で記録され続けます。「『ブルームがx > yを証明した』と書く代わりに、『x > yが知られている。証明の解説はブルームによる[リンク]』と書く」。AIの証明を集める場所については、「私個人は管理したくない。食肉処理場の中にレストランを開かないのと同じように、そうした保管場所と、実際の問いを広めることを目指すサイトとは分けておくことが大切だ」と書いています。

wikiは凍結の理由を書いていません。主な管理者だったSothanaphanは7月に、「この形式は、何を貢献とみなすかを暗に縛っていた。特に、証明の生成が、証明の検証や証明の消化より優先されていたが、私はそれらも同じくらい重要だと考えていた」と書いています。

今は、確認する作業にお金が回り始めています。10月15日、シモンズ財団は、同財団、Anthropic、OpenAIが「合わせて1500万ドルの資金と資源を拠出する」と発表しました。研究者が「最近のAI支援の結果を評価し、新しいツールを学んで使い、視点を共有し、AI利用の共通の基準を形づくる」のを助ける取り組みです。OpenAIとAnthropicはそれぞれ500万ドルを出すとしています。関連する公募「Targeted Grants to Math+AI Institutes」の締め切りは2026年12月1日です。

AIの助けを、証明でどう明記すべきか#

数学者たちはまだ議論の途中ですが、いくつかの決まりは文書になっています。

  • ツールは開示し、功績は人に:2026年6月のライデン宣言は、サイトによれば国際数学連合(IMU)の支持を受けており、著者に「大規模言語モデルを含む自動化ツールの使用を透明に開示する」よう求め、「功績と責任は引き続き数学界の人間に属し、自動化システムに与えられるべきではない」と述べています。
  • AIの使い方を開示しなければ掲載しない:ブルームの10月の投稿は、「論文は出典を明らかにし、AIをどう使ったかを正直に開示すべきだ。剽窃やAI使用の偽りの証拠がある場合、証明が正しくても掲載を断ることがある」としています。
  • Leanの証明の作り方を書く:Leanで検証された結果の登録簿Palomarは、各項目にformalization.yamlというファイルを求め、必須の自動化の欄は「manual | copilot | agent | autonomous | other」のいずれかをとります。
  • 結果を生み出したシステムに帰属させる:OpenAIは自社の結果についてこの立場をとり、「AIシステムが完全に生成した証明について人間の著者であると主張することは、システムの貢献と、本物の人間の知的作業の性質の両方を偽ることになる」としています。

タオは先取権そのものについて、さらに踏み込んでいます。8月6日、彼は「プレプリントや形式的な証明の証明書を最初に公開した人に先取権を与えるのをやめるべきだ。それはAIに誰が一番速くプロンプトを打てるかの競争になってしまう」として、代わりに「結果を明快に示せる最初の著者」に与えることを提案しました。続く投稿では、証明を「生成の成果物(AIとの会話ログなど)、検証の成果物(Leanのコードなど)、説明の成果物(録画された講演など)、出版の成果物」に分け、研究者が「部分的な進展を含む非公開のリポジトリ」を持ち、「各段階の部分的な進展が達成された日付を記録するタイムスタンプ」を付けておき、研究がまとまった時点で公開する姿を描いています。進行中の研究を「暗号化されたハッシュ」で告知する案にも触れ、「それが望ましい展開かどうかは分からない」と書いています。

次の「AIがエルデシュ問題を解いた」という見出しの読み方#

上の事例から引き出した6つの問いです。より大きな問題についての主張は、AIはミレニアム懸賞問題を解いたのかをご覧ください。

  1. 何番の、どの部分か:多くの問題には部分や変形があります。AlphaProof Nexusの9項目には、#12の2つの部分、#741の2つの部分、「エルデシュ自身が出したものではない」#26の変形が含まれます。
  2. すでに知られていなかったか:問題のページと参考文献を確認します。文献検索で、未解決とされた多くの問題の答えが見つかりました。#333はエルデシュ自身の1977年の論文にありました。
  3. Leanの命題を書いたのは誰か:Leanの証明の価値は、それが証明する命題しだいです。wikiの助言は「結果の命題は、証明を行うAIではなく、人か第三者が形式化するのが最もよい」。
  4. 人が追える証明はあるか:ブルームは、Palomarで検証された正しいLeanの形式化にはリンクするよう努めるとしつつ、「説明が不十分で、形式化も伴わない」証明は「サイトに反映する可能性は低い」としています。
  5. 人は何をしたか:問題を選ぶ、プロンプトを書く、命題を直す、証明を書き上げる。どれも貢献です。AlphaProof Nexusでは、エージェントの下書きの助けを借りて、チームのメンバーが通常の言葉の証明を書きました。
  6. 研究所の外の誰が確認したか:9人の名前の分かる数学者が共同論文でかみ砕いた単位距離の結果と、ブルームが「主張」として扱う10月の公開分とを比べてみてください。

Papexでの扱い#

Papexはエルデシュ問題を数えず、証明を確認せず、Leanも実行しません。

Papexの未解決問題の一覧(英語)には、エルデシュが出した問題もいくつか含まれています。エルデシュ–シュトラウス予想(erdosproblems.comの#242)、エルデシュとラドーのひまわり予想(#20)、ハドヴィガー–ネルソン問題(#508)です。ハドヴィガー–ネルソン問題のページには「AI-assisted claims」の欄があり、OpenAIの5色についての主張を出典の記述どおりに、Bill Gasarchが公表した応答とともに載せています。欄の注記は「Claims as their sources state them. Papex has not checked them; the status stays the source’s.」(主張は出典の記述どおり。Papexはそれらを確認しておらず、状態は出典のものです)です。

研究者にとって、Papexは研究の記録を残す場所で、タオの投稿にある姿の一部はPapexの仕組みと重なります。Papexに接続したAIアプリ(/docs/ai、英語)は、非公開の下書きを準備し、作業セッションの短い要約である非公開のセッション・チェックポイントを残せます。これは本人しか見られません。特定の版に署名するのはアプリではなく研究者本人で、使ったAIツールは名前の横に申告として表示されます。AIアプリが著者として記載されることはありません。署名した各版にはOpenTimestampsによるタイムスタンプが付いてビットコインに記録され、後の編集は新しい版になるので、履歴が見える形で残ります。公開した記録は問題に関連付けられ、問題のページに表示されます。

Papexの記録は先取権の裁定ではありません。証明が正しいこと、独自であること、最初であることを示すものでも、査読でもありません。示すのは、名前の分かる人がどの版にいつ署名し、AIが何をしたと本人が述べたかです。モデル名は本人の申告どおりです。

出典#

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