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ChatGPT・Claude・Geminiの参考文献の書き方:APA・MLA・シカゴほか論文での引用方法

ChatGPT、Claude、Geminiを参考文献に書く方法を、APA第7版(2025年9月の変更後)、MLA、シカゴ、AMA、IEEE、ハーバード方式ごとに記載例つきで解説。引用せず開示すべき場合も。

目次
  1. 「引用」と「開示」はどう違うか
  2. 雑誌はAIを出典にすることをどう扱っているか
  3. APA第7版での書き方(2025年9月の変更後)
  4. MLA第9版での書き方
  5. シカゴ・スタイルでの書き方
  6. AMAスタイルでの書き方
  7. IEEEスタイルでの書き方
  8. ハーバード方式での書き方
  9. 日本語のレポート・論文で書く場合
  10. AIで作った画像を引用するには
  11. モデル名とバージョンはどう書くか
  12. 後から確かめられるように残しておくもの
  13. Papexでの記録
  14. 出典

ChatGPT、Claude、Geminiを参考文献に挙げる書き方は、スタイルによって違います。APAではツールを作った会社(OpenAI、Anthropic、Google)を著者にし、MLAではプロンプトの説明から書き始め、シカゴ・スタイルでは番号付きの注を使います。どの場合も、できれば会話の共有リンクを付けます。ただし、その前に投稿先の方針を確認してください。多くの雑誌は、AIの出力を参考文献に挙げる「出典」ではなく、方法や謝辞で「開示」するものとして扱っています。授業のレポートなら、大学や担当教員の指定が最優先です。

以下の書式は、各スタイルガイドが公開している最新の案内を2026年10月9日に確認したものです。ハーバード方式だけは公式版がないため、Cite Them Rightに基づく大学のガイドを使いました。ガイドがChatGPTの例しか示していない場合は、同じ型をClaudeとGeminiに当てはめ、その旨を書いています。日本の資料は2026年10月31日に確認しました。

「引用」と「開示」はどう違うか#

引用と開示は役割が違います。引用は、使った言葉や考えの出どころを読者に示します。開示は、ツールが作業にどう関わったか(どのツールが、何をし、自分が何を確認したか)を示します。1本の論文で片方だけが必要なことも、両方必要なことも、どちらも不要なこともあります。

MLAは記事「Beyond Citation: Describing AI Use in Your Work」で、この違いをはっきり書いています。

"While a generative AI tool may direct you to a source and, in the case of some AI tools, even include snippets or excerpts from a source, the AI output itself is not a source."

(生成AIツールは出典へ導いたり、出典の一部を示したりすることはあるが、AIの出力そのものは出典ではない。)

一方、APAのスタイルチームは、APA自身の雑誌について、使用を開示したうえでツールを参考文献にも挙げる、という形を説明しています(APA Style, Part 3)。つまり、引用するかどうかは、AIが何をしたかと、誰が出版・採点するかで決まります。

AIがしたこと引用するか開示するか
引用・要約する文章を生成したする(投稿先がAIを参考文献に認めない場合を除く)する
論文探しを手伝ったしない。読んだ論文を引用する正式な検索戦略の一部なら(APA)
ワープロ内蔵の機能で綴りや文法を直したしないしない
チャットAIが文章を編集・再構成・翻訳したAPAではツール全般を引用たいていする(言語のみの編集は雑誌で異なる)
解析コードを書いた・直したAPAではツールを引用。コードが中心なら会話を引用する(方法に記載)
事実や文献を示したしない。元の文献を探して引用する作業に影響したなら

各行はAPA Part 1とPart 2、MLAの改訂ガイダンス、後述のElsevierとSageの方針に基づきます。開示の書き方と記載場所は、論文・レポートで生成AIの使用を明記する方法をご覧ください。

雑誌はAIを出典にすることをどう扱っているか#

方針は雑誌によって違い、投稿先の規程はどのスタイルガイドよりも優先されます。2026年10月9日に確認した例です。

方針AIを出典として引用することAI使用の開示
ICMJE(多くの医学雑誌が準拠)「AIが生成したものを一次資料として参照することは認められない」カバーレターと投稿原稿
Sage生成AIツールではなく元の出典を引用する。AIで作った画像はツールの引用が適する場合あり方法または謝辞。言語・文法・構成の編集は対象外
ElsevierAIツールを著者にしない。AIツールを著者として引用もしない参考文献の直前に独立したAI申告欄。研究での利用は方法
Taylor & Francis方針に記載なしツールの正式名称とバージョン番号、使い方と理由を記載
JAMA Network記載なし。AIで参考文献を生成・整形してはならない謝辞。研究デザインの一部なら方法
APAの雑誌(APA Styleによる要約)ツールを引用し、参考文献リストに載せる方法、著者注など適切な場所

APAもMLAもツールを著者として扱わず、ICMJE、Elsevier、Taylor & FrancisはAIを著者に挙げることを認めていません。ICMJEやSageの方針に従う雑誌なら、会話は参考文献に入れず、使った部分を本文で引用し、雑誌の指定する場所で使用を開示し、会話の記録を補足資料に入れます。AIに文献を探させたり整形させたりした場合は、投稿前に一つずつ確認してください(存在しない参考文献を見抜く方法)。

APA第7版での書き方(2025年9月の変更後)#

APAは2025年9月、ChatGPTの引用についての以前の案内を、3回の連載とAIの参考文献例のページに置き換えました。現在は参考文献の型が2つあります。特定の会話を引用する型と、ツール全般を引用する型です。どちらも著者は会社で、ChatGPTならOpenAI、ClaudeならAnthropic、GeminiならGoogleです。

以下の例で、xxxx は自分の共有リンクのID、[name] はアプリに表示されるモデル名を表します。それ以外は、APAの角括弧の説明も含めて、そのまま書きます。

特定の会話を引用する

APAの型は次のとおりです。

AI Company Name. (year, month day). Title of chat in italics [Description, such as Generative AI chat]. Tool Name/Model. URL of the chat

日付は会話をした日(または終えた日)です。タイトルは会話のタイトルで、イタリック体、文頭だけ大文字(sentence case)にします。多くのアプリでは会話の名前を変えられるので、APAは引用前に内容が分かるタイトルを付けるよう勧めています。会話そのものを読者が見られると役立つ場合に使う型です。

本文中では (OpenAI, 2026)、(Anthropic, 2026)、(Google, 2026)、または「OpenAI (2026) は…」と書きます。ツール名の位置にはモデル名を入れることもでき、APAの連載第1回には次の例があります。

Anthropic. (2025, May 20). Essential grammar topics for high school graduates [Generative AI chat]. Claude Sonnet 4. https://claude.ai/share/329173b2-ec93-4663-ac68-4f65ea4f166d

プロンプトは参考文献には書きません。APAは、本文中に書くか、長い場合は付録や補足資料に入れるよう案内しています。方法の記述なら、たとえば「混合効果モデルのRコードの下書きにChatGPT (OpenAI, 2026) を使い、実行前に各行を確認した。プロンプトは付録Bに示す。」のように書けます。

ツール全般を引用する

APAの型は次のとおりです。

AI Company Name. (year). Tool Name/Model in Italics and Title Case [Description; e.g., Large language model]. URL of the tool

特定の会話を引用することが「役に立たない、倫理的でない、またはその他の理由で不適切」な場合は、ツール全般を引用します。APAの例には、自分の文章の編集や翻訳にAIを使った場合や、研究参加者との会話(会話ごとに参考文献を立てると秘密保持が損なわれうる)が挙がっています。年は、ツールが最後に更新された年です。不明なら、サイトやアプリの著作権表示の年を使います。

「(Mar 14 version)」の書き方はまだ正しいか

いいえ。「OpenAI. (2023). ChatGPT (Mar 14 version) [Large language model]. https://chat.openai.com/chat」という例は、APAの2023年の記事をそのまま写したものです。APAはこの記事を現在「記録のためだけに残している」と表示しています。APAは、バージョン番号を既定では書かないよう案内を変えました。できればモデル名を、できなければツール名だけを書きます。ツールがバージョンを表示している場合は、ツール名かモデル名の後に、丸括弧に入れて(イタリックにせず)書きます。

APAでは、チャットAIの出力を「個人的なコミュニケーション」としても扱いません。2023年の記事にもすでに「ChatGPTが生成した文章では、伝えている人間がいない」と書かれていました。

MLA第9版での書き方#

MLAの改訂ガイダンス(2025年8月)は、ツールを著者として扱いません。項目は、生成されたものの説明(たいていはプロンプト)から始めます。ツールは「コンテナ」で、バージョンの欄にはモデル名を「できるだけ具体的に」書きます。続けて会社名、内容が生成された日付、固定の共有リンクを書きます。共有リンクがないツールなら、ツールのURLを書きます。

MLA自身の例をそのまま示します。

“Describe the theme of nature in Jane Austen’s Mansfield Park” prompt. ChatGPT, model GPT-4o, OpenAI, 23 Sept. 2024, chatgpt.com/share/66f1b0a0-d704-8000-be9a-85f53c850607.

MLAの例はChatGPT、DALL-E、Copilotだけなので、同じ型を3つのチャットAIに当てはめると次のようになります。

  • “Explain the difference between fixed and random effects” prompt. ChatGPT, model [name], OpenAI, 6 Oct. 2026, chatgpt.com/share/xxxx.
  • “Explain the difference between fixed and random effects” prompt. Claude, model [name], Anthropic, 6 Oct. 2026, claude.ai/share/xxxx.
  • “Explain the difference between fixed and random effects” prompt. Gemini, model [name], Google, 6 Oct. 2026, g.co/gemini/share/xxxx.

本文中の引用は説明の最初の語句を使い、(“Explain the difference”) のように書きます。MLAの例ではリンクの「https://」を省いています。何度もプロンプトを重ねた会話なら、「Fixed and random effects prompt」のような短い総称的な説明でも構いません。

MLAにとって、引用は対応の一部にすぎません。引用とは別に、実質的なAIの使用を明らかにするよう勧めており、2023年のガイダンスでは、編集や翻訳への使用を「注、本文、またはその他の適切な場所」で明らかにするよう求めていました。

シカゴ・スタイルでの書き方#

シカゴ・マニュアルのAIに関するQ&Aは第18版に基づいています。AIが生成した文章を使ったら、そのツールを必ず明らかにするよう求めています。多くの文章では、本文中でツール名に触れれば十分です。学生のレポートや研究論文では番号付きの注を使い、アプリの「共有」ボタンから取ったURLを付けます。シカゴの例は「Text generated by ChatGPT, OpenAI, January 10, 2026, URL.」です。同じ型で書くと次のとおりです。

  1. Text generated by ChatGPT, OpenAI, October 6, 2026, https://chatgpt.com/share/xxxx.
  2. Text generated by Claude, Anthropic, October 6, 2026, https://claude.ai/share/xxxx.
  3. Text generated by Gemini, Google, October 6, 2026, https://g.co/gemini/share/xxxx.

本文でプロンプトを示していない場合は、注に入れます。コンマは閉じ引用符の内側に置きます。

  1. Claude, response to “Explain the difference between fixed and random effects,” Anthropic, October 6, 2026, https://claude.ai/share/xxxx.

出力を編集した場合は、本文か注の末尾に「edited for style and content」のように書きます。引用符を曲がった形に変える程度の小さな変更なら書く必要はありません。

参考文献一覧(bibliography)や著者・年方式についてはどうでしょうか。現在のQ&Aは注の形しか示していません。第17版に基づく以前の回答(2025年6月のアーカイブ)は、著者・年方式の「(ChatGPT, March 7, 2023)」を示し、公開リンクがない限りAIとの会話を参考文献一覧に入れないとしていました。改訂後の回答ではどちらの記述もなくなっており、マニュアル本体は購読者向けです。出版社が参考文献一覧や著者・年方式を求める場合は、編集者に尋ねるか第18版を確認してください。

AMAスタイルでの書き方#

JAMAとJAMA Network各誌が使うAMAスタイルは、公開されている案内の中に、AIとの会話を参考文献リストに載せる書式を示していません。代わりに、謝辞(Acknowledgment)で、AIが研究デザインの一部なら方法(Methods)で使用を明らかにします。

AMAのブログAMA Style Insiderは、AMA Manual of Style の3.15.13節から次の例を紹介しています。

"The authors acknowledge using ChatGPT (GPT-3.5, OpenAI) for text editing to improve the fluency of the English language in the preparation of this manuscript on September 15, 2023."

この例は続けて、意味は変わっていないこと、ChatGPTが知的内容に影響していないこと、著者が全責任を負うことを述べています。

JAMAの投稿規程は、ツール名、バージョンと拡張機能の番号、製造元、使用日、使い方と対象部分、そして内容に著者が責任を負うことの確認を求めています。基本的な文法・綴りチェッカーは対象外です。AIが研究の一部なら、方法にプロンプト、その順序、修正も書きます。AMAの型を3つに当てはめると次のようになります。

  • The authors acknowledge using ChatGPT ([name], OpenAI) on October 6, 2026, to suggest edits for clarity to the Discussion. The authors reviewed every change and take full responsibility for the integrity of the content.
  • The authors acknowledge using Claude ([name], Anthropic) on October 6, 2026, to …
  • The authors acknowledge using Gemini ([name], Google) on October 6, 2026, to …

JAMAは、AIを「参考文献の生成や整形に使ってはならない」とも定めています。3.15.13節そのものは購読者向けで読めませんでしたが、Butler大学図書館は同節が、AI使用の説明は「本文中に書き、正式な参考文献リストには含めない」としていると引用しています。

IEEEスタイルでの書き方#

IEEEには、AIとの会話を参考文献に載せる書式がありません。IEEEのReference Guide(version 3.28.2025)はブログ、データセット、ソフトウェア、ウェブサイトなどを扱っていますが、ChatGPT、Claude、Geminiなど、AIツールの項目はありません。ここでも書式を作ることはしません。

IEEEの倫理原則(5ページ)は、AIツールは「参考文献に挙げてよいが、著者が内容の正確さを独自に確認した場合に限り出典として使える」としています。参考文献に挙げること自体は認められていますが、その書き方は示されていません。編集者に求められたら、どの形がよいかを尋ねてください。

IEEEがはっきり定めているのは謝辞です。著者向け方針は、AIが生成した内容(「文章、図、画像、コードを含むがこれらに限らない」)を謝辞で開示するよう求めています。AIシステムの名前、AI生成の内容を使った節、AIがどの程度関わったかを簡潔に書きます。言語や文法の編集だけなら方針の「おおむね対象外」で、開示は「必須ではないが推奨」です。IEEEは、AIで文章を編集するときは、意図しない変更を防ぐために参考文献リストを入力から外すことも勧めています。

IEEEスタイルでは、見出しは単数形の「Acknowledgment」で、「g」の後に「e」を入れません(IEEE Editorial Style Manual for Authors)。IEEEは文例を示していないので、次の例は3つの要件に沿って作ったものです。

  • The authors used ChatGPT ([name], OpenAI) to draft the Python code in Section III-B. The authors tested and revised the code.
  • The authors used Claude ([name], Anthropic) to draft the Python code in Section III-B. The authors tested and revised the code.
  • The authors used Gemini ([name], Google) to draft the Python code in Section III-B. The authors tested and revised the code.

ハーバード方式での書き方#

ハーバード方式には公式版がなく、大学ごとに独自の版を出しています。まず自分の大学のガイドを確認してください。英国のGreenwich、Newcastle、De Montfortなどの大学は、Cite Them Right(Bloomsbury)に基づくガイドを出しています。Cite Them RightのAIのページは生成AIの参照方法の項目にリンクしていますが、その項目は機関契約が必要で読めませんでした。以下の書式は、Cite Them Rightに準拠するとしている大学のガイドから取りました(2026年10月9日確認)。

グリニッジ大学のガイド(2026年9月)は、ハーバード方式の例をCite Them Right Onlineから取っており、AIの会社を著者にしています。

Name of AI company (Year) AI-generated [medium] by [name of AI] with prompt '…', Day month. Available at: URL of chat (Accessed: day month year).

3つのチャットAIに当てはめると次のとおりです。

  • OpenAI (2026) AI-generated text by ChatGPT with prompt 'Explain the difference between fixed and random effects', 6 October. Available at: https://chatgpt.com/share/xxxx (Accessed: 6 October 2026).
  • Anthropic (2026) AI-generated text by Claude with prompt 'Explain the difference between fixed and random effects', 6 October. Available at: https://claude.ai/share/xxxx (Accessed: 6 October 2026).
  • Google (2026) AI-generated text by Gemini with prompt 'Explain the difference between fixed and random effects', 6 October. Available at: https://g.co/gemini/share/xxxx (Accessed: 6 October 2026).

本文中では「Claude (Anthropic, 2026) suggested…」または「(Anthropic, 2026)」と書きます。

会話を自分しか見られない場合、ニューカッスル大学のスタイルシート(2025年)は、個人的なコミュニケーションとして扱い、本文中の引用で内容を説明する形をとります。例は「OpenAI ChatGPT (2023) ChatGPT response to Lorna Smith, 3 April.」で、同じ型なら「Anthropic Claude (2026) Claude response to [your name], 6 October.」となります。

2つのガイドは食い違っているので、授業でどちらの版を使うか、会話全体を付録に付けるかを確認してください。

日本語のレポート・論文で書く場合#

日本語の文献リストでよく使われるSIST 02(科学技術情報流通技術基準「参照文献の書き方」)には、生成AIの書式はありません。SISTは科学技術振興機構(JST)の事業でしたが、その事業はすでに終了しており(2021年12月の保存版に「SIST事業の終了により」との記載があります)、現在SISTのページ(jipsti.jst.go.jp/sist/)を開くと、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)に保存された2022年1月時点のページに転送されます(2026年10月31日確認)。生成AIが広まる前に更新が止まった規格なので、AIの書式がないのは当然です。

日本の大学では、図書館や大学がそれぞれ書き方を示しています。たとえば尚美学園大学メディアセンターの「レポート作成ガイド」は、レポートの出題者が生成AIの利用を認めている場合に限り、次の形を示しています(2026年10月31日確認)。

生成AIツール名, ”入力した文章”, 参照日

《例》ChatGPT, ”初めてCGが使われた日本映画は?”, 2023年9月19日

同じガイドは、AIの回答は間違っている場合があるので出典を自分で確認すること、AIの出力をそのまま自分の文章として出すと剽窃になることも注意しています。

学位論文では、学部・研究科の規程が書く項目を決めていることがあります。九州大学工学部・工学府の申し合わせ(2023年11月22日)は、生成AIが作った文章を使う場合、範囲を明示し、生成AI名、バージョン、使ったプロンプトを参考論文や脚注などに明記するよう定めています。学会誌では、教育システム情報学会の基本方針のように、使った生成AIの利用規約に表記の指示があればそれに従うよう求める例もあります。

日本語の文献リストで生成AIの公式書式がない場合は、投稿先や指導教員の指定に従ったうえで、少なくとも「開発元、ツール名とモデル名、入力した内容(または会話のタイトル)、利用日、共有リンク」をそろえておくと、読者が後から確かめやすくなります。これはひとつの目安で、特定の規格の書式ではありません。

AIで作った画像を引用するには#

まず、その画像が使ってよいものか確認します。JAMAは、正式な研究デザインや方法の一部である場合を除き、AIで作成・改変した臨床画像や図を受け付けません。Elsevierはフローチャートのような説明用の画像へのAI利用を認め(各説明文に記載)、顕微鏡像や患者の画像のような研究の一次画像の作成・改変は認めていません。

MLAは、図の説明文に引用を書くか、同じ情報を引用文献リストに書きます。MLAの例です。

Fig. 1. “Create an expressionist-style image of two people standing on a beach looking at the ocean” prompt, DALL-E, version 3, OpenAI, 23 Sept. 2024, chatgpt.com/share/66f1c3a3-3f90-8000-9750-82c57c4a6592.

ChatGPTやGeminiで作った画像なら次のようになります。

  • Fig. 1. “Draw a plant cell with the organelles labelled” prompt, ChatGPT, model [name], OpenAI, 6 Oct. 2026, chatgpt.com/share/xxxx.
  • Fig. 1. “Draw a plant cell with the organelles labelled” prompt, Gemini, model [name], Google, 6 Oct. 2026, g.co/gemini/share/xxxx.

Claudeは写真やイラストは生成しませんが、図表やグラフは作れます(Claudeヘルプセンター)。その場合も同じ型で、Claude、Anthropic、claude.ai/share/xxxx と書きます。

APAは、「表や図の注にAIを使ったことを示し」、ツール全般を引用するよう求めています(Part 1)。画像専用の参考文献の型はありません。注はたとえば「Note. Created with Gemini (Google, 2026); the prompt is in Appendix A.」で、参考文献は前に示したツール全般の型です。Canvaのような一般的なソフトに組み込まれたAI機能は引用不要です(Part 2)。

IEEEのスタイルマニュアルは、説明文に「Graphic(s) created using AI-generation. For image credits, please see the Acknowledgment section of this article.」と書き、謝辞に「Fig. X was created using <AI system used>.」と、AIをどの程度使ったかの短い説明を書く形を示しています。

モデル名とバージョンはどう書くか#

使った日に、アプリのモデル選択画面に表示されていた名前を書き留め、スクリーンショットを撮っておきます。APAはAIにモデル名を尋ねることも提案していますが、その場合は選択画面の表示と照らし合わせてください。AIの答えは間違っていることがあります。

  • APA:ツール名かモデル名を、タイトル(ツール全般の型)か出典の位置(会話の型)に書きます。バージョンは、ツールが表示している場合だけ、丸括弧に入れてイタリックにせずに加えます。
  • MLA:バージョンの欄に「model GPT-4o」のようにモデル名を書きます。
  • AMA:ツール名の後に、AMAの例「ChatGPT (GPT-3.5, OpenAI)」のように、括弧でモデルと製造元を書きます。JAMAはバージョンと拡張機能の番号も求めます。
  • IEEE:謝辞でAIシステムの名前を書きます。
  • シカゴ:Q&Aの注の例はツール名だけです。モデルが重要なら、本文か開示文に書きます。
  • 開示文:Elsevierは、AIが方法の一部である場合、モデルまたはツール、バージョン、開発元を求めます。Taylor & Francisは、ツールの正式名称とバージョン番号を求めます。

後から確かめられるように残しておくもの#

同じプロンプトでも、会話ごとに違う答えが返ってきます。APAも2023年に「ChatGPTは、同じプロンプトでも会話ごとに固有の応答を生成する」と書いています。参考文献が役に立つのは、その会話を後からたどれる場合だけです。次のものを残してください。

  • 共有リンクとその限界:ChatGPTの個人アカウント、Claude、Geminiの共有リンクはその時点のスナップショットで、後から追加したメッセージは、更新または再共有しない限り含まれません(OpenAI、Anthropic、Google)。Claudeのスナップショットには添付ファイルが含まれません。ChatGPTのBusiness、Enterprise、Eduのワークスペースや、ClaudeのTeam、Enterpriseで作ったリンクは組織のメンバーしか開けないので、雑誌の読者はたどれません。
  • リンクが消えても残るコピー:ChatGPTの会話を削除すると共有リンクも消えます。Geminiの公開リンクは、会話の一部がGeminiアプリのアクティビティから削除されると(自動削除を含む)消えます。Claudeは「設定 > プライバシー」からエクスポートでき、ダウンロードリンクは届いてから24時間で無効になります。ChatGPTの個人アカウントにもデータのエクスポートがあります。Geminiは会話を自分のファイルにコピーしておきます。
  • すべてのプロンプトを順番どおりに:追加の質問も含めます。APAは研究者に「AIツールで使ったプロンプトを自分の記録として残す」よう求めています。
  • モデル名と日付:選択画面のスクリーンショットと一緒に。
  • 実際に使った出力と、自分が変えたところ

チャットAIが研究参加者と対話する場合のように、AIが研究の一部であるときは、APAはその会話を「完全なデータセットと同じように」保管するよう勧めています。

Papexでの記録#

共有リンクは会話を記録しますが、論文のどの版がその会話に依拠したか、その版がいつ存在したかまでは記録しません。その部分をPapexは記録します(アプリの画面は英語です)。

Papexでは、仮説、発見、論文はそれぞれ版を持つ記録です。版に署名すると、署名はその版と研究者を結び付けます。後で編集すると、新しい署名と日付を持つ新しい版になり、以前の版はそのまま残ります。Papexの外に出るのは版のソルト付きフィンガープリントだけで、OpenTimestampsでタイムスタンプが付けられ、誰でも確認できるビットコインのブロックに記録されます(ビットコインのタイムスタンプが示すこと、英語)。署名した後、版を非公開のままにするか、招待した人と共有するか、公開するかは研究者が選べます。

研究者の許可があれば、ClaudeやChatGPT、PapexのMCPパッケージ経由のClaude Code、Codex、Cursorなどは、非公開の下書きを準備し、変更を提案し、参考文献を調べることができます。署名、自分の提案の承認、権利に関する表明、公開はできず、それができるのは研究者本人だけです。AIアプリが著者として記載されることもありません。モデル名やツール名はAIエージェントが報告したとおりに「Agent-reported」の表示付きで記録され、Papexはそれを検証しません。Papexが受け取るのはAIアプリがツール呼び出しで送った内容だけで会話そのものではないので、共有リンクやエクスポートも残しておいてください。

署名済みの記録が示すのは、誰がどの版に署名し、その版がいつ存在したかです。引用が正しいこと、AIの出力が正しかったこと、雑誌が論文を受理することを示すものではありません。AIアプリとの接続は/docs/ai(英語)をご覧ください。

出典#

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